もしかして国って嘘をういたの?
2月頃だったと思うがマスク業者に「生産体制の強化を。余剰分は国が買い取る。」とか言ってたけど、
余剰分が溢れている現在、この国の口約束は嘘だったのか?

それとも、国が「余剰は書いとる」と言ったのは、あくまで、日本マスク工業会のマークがあるような従来からのマスク(ユニ・チャーム、白元アース、エスパック、7&i、タキガワエーザイ、その他、工業印のあるもの)であって、
いわゆる「ナゾノマスク」は入らなかったのかな?


●令和2年(2020年)5月18日(月)産経新聞23ページ

マスク価格乱高下 なぜ 「材料15倍」「増産足踏み」「ブローカー暗躍」

新型コロナウイルスの感染予防のため急拡大したマスク需要。街中には箱詰めのマスクが並び始め、値段も落ち着いてきた感があるが、なぜマスク不足が続いたのか。
背景を探ると、原材料が高騰したり、過去の失敗の教訓から、国内の一部メーカーが増産を控えたりするなど、複数の要因が複雑に絡み合っていたことが浮かび上がった。

東京・上野のアメ横商店街で売られているマスク=17日午後2時23分

「原材料価格がつりあ上げられ、マスクの値段も上げざるをえなかった」。中国にある子会社を通じてマスクの加工を手掛ける国内メーカー関係者は取材にこう打ち明けた。
防護効果が比較的高いとされる3層マスクは、繊維を織らずに絡み合わせた「不織布」を3枚重ねた構造。
不織布は世界の生産量の4割近くを中国が担っているが、この関係者によると、フィルター機能のあるタイプの不織布の場合、価格は1キロあたり30元(約450円)が、新型コロナウイルスの感染拡大で一時、450元と15倍に上昇したという。

国内のメーカーはこぞってマスクの増産に乗り出したが、四国地方のあるメーカー関係者は「過去に『苦い経験』があり(増産に必要な工場やラインの増設などの)設備投資には踏み切れなかった」と明かす。
「苦い経験」とは、平成14〜15年の重症急性呼吸器症候群(SARS)や25年の鳥インフルエンザの流行のことだ。
当時マスクの増産を敢行したが感染収束でマスクがだぶつき、「たたき売りの状況になった」。増産しても利益を生み出せない恐れがあった。

日本衛生材料工業連合会によると、マスクの国内生産量は平成30年度で11億枚だが、輸入も含めた国内の総供給量は55億枚。
マスク需要を国内だけでまかなうには限界があり、中国などからの輸入マスクに頼らざるをえない現状が続いた。

関西地方を拠点とする輸入業者は「世界中で感染拡大し、世界規模で争奪戦が起きた。欧米のブローカーが数倍の値段で大量に買い付け、日本になかなか入ってこなかった」と解説する。
この輸入業者によると、
「中国の業者と売買契約が成立しても、より高い値段を提示する買い手がいれば一方的に契約を破棄されることもあった」。
ブローカーの中には中国政府の目を逃れて洋上でマスクの取引をする「瀬取り」による密輸を試みる業者がいたとの情報もある。
一方で5月に入ってからは供給量が増加し、マスクの卸価格は1枚あたり20円程度まで下がった。ただ、中国では新興メーカーもマスク生産に参入しており、不衛生な粗悪マスクも流通し始めているという。輸入業者は「今後は値段だけでなく、質もみ見極めるべきだ」としている。