新型コロナを二類感染症から解除すべき
門外漢からの単純で根本的な提言

東京脳神経センター整形外科・脊椎外科部長 川口浩

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2020/0811531283/


現在、二類感染症に指定されているのは、重症呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザ(それぞれの致死率は9.6%、34.4%、50%以上)など、いずれも毒性の高いもので、患者の入院・隔離、および医療機関での厳重な患者対応が必須となる。一方、COVID-19の致死率は当初から2〜3%である。

 しかしながら、COVID-19の二類感染症指定はその後も継続し、その結果、半年にわたって感染症法上の規定のみに準じて、科学的根拠とは関係なく、「無症状者・軽症者の入院・隔離」「医療現場での煩雑な患者対応」が義務付けられた。私は、この指定の継続が医療現場の切迫・疲弊の一因になったと考えている。情けないことに、感染者を犯罪者のように扱う社会風潮も散見されるようになっている。



感染性は高まったが、弱毒化している

 RNAウイルスは常に変異を繰り返しているといわれている。SARS-CoV-2も既に世界中に4,000以上の変異株が報告されている。しかしながら一般的に、ウイルスの感染性と毒性は両立しない。SARS、MERS、鳥インフルエンザのように毒性が強いと、患者は重症化、死亡するので、ウイルスは他所に移動することができない。すなわち、「風土病」で終わってしまい、「パンデミック」になることはありえない。COVID-19の場合は、その変異の過程で毒性を弱めて感染性を高め、保菌者に動き回らせて世界中に拡散した、したがってパンデミックになった、ということだろう。