途上国型のグラフについて考えてみた。

ドイツ、スペイン、イタリア、イギリス、フランス等
ヨーロッパ、ニューヨーク、ニュージャージーなどのアメリカ東部州、
そして日本の第一波は、感染が指数関数的にグッと拡大し、
二週から八週でピークを打ち、そこから徐々に減っていくパターンが
多かった。新規感染者数は典型的なSIRモデルのグラフになる。
(一番下のリンクを参照)

これに対し途上国型、インド、ブラジル、南アフリカなどの途上国型の
新規感染者数グラフでは、ピークを打つまでに3,4か月、時にはそれ以上の
期間をかけて一気に上昇することが多かった。

途上国型のグラフはその国の衛生管理のレベル、
医療・保健・行政体制が先進国ほど整っていないためかもしれない。
あるいはただ単に国が大きいから、伝播に時間がかかるからかもしれない。
(アメリカ合衆国全体の新規感染者、
死者のグラフは、世界全体の感染者、死者のグラフに似ている。
(ただ死者は第二波では世界のグラフよりアメリカの方が下がっている。))

他の解釈は、途上国型だと、第一波が収まらないうちに
第二波(ひょっとすると第三波、四波)がやってきているからかもしれない。
例えば下のペルーのグラフは、それがはっきりとわかる。

ヨーロッパ各国では、
スペインやフランスのようにかなり本格的な第二波が来ている国もあれば、
まだほとんど軽い兆候に過ぎない国もある。第二波が遅れて来た国では、
感染者が多くなる冬(オーストラリアや南米の例で明らか)に夏の第二波と
冬の第3波が連続し、途上国型のグラフのように長い期間感染拡大が続く
ことになるかもしれない。

日本、オーストラリア、西ヨーロッパなどは第一波の後3,4か月後に
はっきりとした第二波が現れたが、それはもしかすると抗体が消えるとされる
2,3か月という期間と関係があるかもしれない。


ペルーの新規感染者と死者(グレーの棒グラフ)
https://www.worldometers.info/coronavirus/country/peru/

典型的な感染者のグラフ(赤線、SIRモデル)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/bd/SIR-Modell.svg