「権力者にとって一番都合の悪いもの、それは自由です。
自由に物事を考え、自由に発想し、自由に行動する。人々が既存の世界観に縛られる
のをやめ、自らを頚木から開放すると、人々は徹底的に気づいてしまいます。
この世界の姿があまりにもグロテスクであり、現状に執着し、必死になって維持して
いかなければならないことなど1つもないのだ、と。本当に大切にしなければならない
ことは、そんなところにはなく、別のところにあるのだ、と。
もし、人々にこうした気付きが訪れるとしたら、権力者が営々と築いてきた体制は、
その瞬間に瓦解します。人々は、もはや彼らに従わなくてはならないとは思いませんし、
彼らに権威を感じることもありません。
彼らが難しい理屈を並べ立てて攻撃してきても、人々はそれがたいそうなことだとは思わず、
「煙に巻かずに、もっと簡単にいってごらん」と正面から真偽を問いただすでしょう。
彼らが何かを隠そうとすれば、人々はすぐに代替品を見つけ出し、どんどん前に歩いて
いくでしょう。権力者が何かを素晴らしいものとして提供しようとしても、もう誰も
そにを見向きはしないでしょう。
つまり、権力者が使うありとあらゆる”ワザ”が通用しなくなるのです。」

つづく