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そこで、アメリカ・ベイラー医科大学らの研究チームは、国内のさまざまな医療機関でワクチンの接種を受ける予定の18歳以上の被験者458人を対象に、交互接種の効果や副反応を検証する研究を行いました。この研究ではまず、被験者を約150人ずつ3グループに分けて、各グループにモデルナ・ファイザー・ヤンセンのワクチンを所定の回数投与しました。

その後、3つある150人のグループをさらに約50人ずつ3つに分けて、それぞれにモデルナ・ファイザー・ヤンセンのブースター接種を行いました。つまり、合計で9通りの組み合わせでブースター接種が行われたことになります。

そして、研究チームが「ブースター接種当日(ブースター接種の効き目が出る前)」「ブースター接種から15日後」「同29日後」の被験者の結合抗体の量を調べたところ、結合抗体は最低でも4.6倍、最大56倍増えていたことが確認されました。なお、結合抗体とはウイルスなどの病原体に結合して免疫を誘導する役目を持つ抗体のことです。さらに、ウイルスを直接排除する中和抗体も6.2〜76倍増加しました。

具体的な結果が以下。上段のA〜Cは結合抗体、下段のD〜Fは中和抗体の力価のグラフで、各段のグラフは左からモデルナの「mRNA-1273」、ヤンセンの「Ad26.COV2.S」、ファイザーとBioNTechの「BNT162b2」のワクチンをブースター接種した結果を示しています。ウイルスを無力化する中和抗体では、最初の接種とブースター接種で同じワクチンを使うと力価が4.2〜20倍増加したのに対し、最初の接種とブースター接種のワクチンが異なる交互接種では前述の通り力価が6.2?76倍となりました。

全体的に、ブースター接種はワクチンの種類や交互接種かどうかにかかわらず抗体を増加させることが確認されましたが、特にモデルナのワクチンをブースター接種された人は、最初に接種を受けたワクチンの種類にかかわらず、中和抗体の力価が最も高い結果となりました。一方、最初にヤンセンのワクチンの接種を受けた人は、ブースター接種当日の中和抗体の力価が最も低く、またブースター接種から15日後の中和抗体の力価も、2回ともヤンセンのワクチンだった人が最も増加率が低いものでした。

研究チームによると、2回ともヤンセンのワクチンだったグループ以外の全グループが、ワクチンの有効性約90%を達成するのに十分な中和抗体の力価だったとのことです。また副反応の種類や程度も、これまで各ワクチンで報告されてきたものと同様で、多くが軽度の副反応でした。

この研究結果は速報的な予備報告という位置づけで、論文はまだ査読を通過していないプレプリントの論文です。また研究チームは論文の中で、今回の研究にはサンプルサイズが少なく、被験者の無作為化も十分ではないといった制限があることを認めています。

その上で研究チームは、今回得られた研究結果について「アメリカで使用が許可されている3種類のワクチンのいずれを使ったブースター接種でも、抗体が急速に増加する既往反応を発生させることができることが示されました。つまり、同種のワクチンでブースター接種をすると幅広い免疫原性反応が得られ、異なるワクチンによるブースター接種ではさらに同等以上の効果が得られることになります。また、副反応などの有害事象は、いずれのグループの間でも同様でした。この結果は、何らかのワクチンがブースター接種として承認されれば、最初に接種されたワクチンの種類にかかわらず、免疫反応が得られることを示唆しています」と結論づけました。
https://gigazine.net/news/20211123-mix-covid-boosters-better-same-shots-vaccine/