ヨコオ氏:
 結局、スクエニブランドで日本人が海外向けっぽいキャラを作る意味は、あまりなかったというのが、当時の結論でした。その失敗例を踏まえて、スクエニの齊藤プロデューサーと一緒に今回、僕たちは日本に向けてまずはしっかり作りました。
 要は、自分が面白いと思うものを、好き放題やっただけですね。

――それで生まれたのが、若い頃の椎名林檎みたいな見た目で、ゴスロリ服のアンドロイドが活躍するゲームだったわけですね(笑)。

橋野氏:
『ペルソナ5』【※1】も一緒ですよ。海外はあまり意識していません。

 そもそも僕らの場合は、「女神転生」が皆さんも知っての理由【※2】で(笑)、海外にどうしても出しづらいゲームだったので、
海外市場への意識は確かにずっとあるんです。でも、だからこそ僕は、海外を目指す必要があるのかと、ずっと疑問に思っています。
そもそも「ペルソナ」については、全く意識せずに海外のお客さんから支持して頂けたのだから、
それを変えるのはダメじゃないかとも感じています。まあ、その意味で意識しているとは言えるかもしれないですが。

藤澤氏:
結局――「アメリカ人の真似」じゃダメってことだと思います。
 ゲーム業界全体としても、PS3の頃に「海外ウケ」を意識して大コケした記憶があって、今はまだそのリハビリ中みたいな時期だと思っています。
 だから、『Horizon Zero Dawn』(以下、『ホライゾン』)【※1】や『The Elder Scrolls V: Skyrim』(以下、『スカイリム』)【※2】や「Grand Theft Auto」(以下、「GTA」)シリーズ【※3】を見せられても、
僕はあまり悔しいとは思わない。それらはそもそも作り方の違いでもあるし、プロジェクトというものの捉え方の違いだと思っているので。

TBT「目指せスカイリム!!!オープンワールドじゃなきゃ世界で通用しない!!!