シャチは時折、食べるつもりのない動物を群れで攻撃することがある。
生物学を専攻するニコラス・ダバロス氏は2017年冬、ガラパゴス諸島最大の島イサベラ島の沖でフィールドワークを行った。シュノーケルを装着し、海面近くを泳いでいたとき、おとな1匹、子ども2匹からなるシャチのグループが2匹のアオウミガメを追いかけているところに遭遇した。
おとなのシャチは口先(口吻)を使い、アオウミガメの体を乱暴に回し始めた。
同時に、片方の子どもがもう1匹のウミガメの足をとらえ、水中に引きずり込んだ。
シャチたちは30分にわたってウミガメをもてあそんだ後、突然泳ぎ去った。
解放された2匹のうち、少なくとも1匹は生き延びたようだと、ダバロス氏は説明している。

シャチは優しい良い子なのだ