(じゅるじゅるじゅる………)

「ん〜♪ このジュース、
しゅわしゅわで甘くておいしい♪」

(ちら………)

「ふふん、アンタも飲みたいんでしょ?
けどゼーッタイ、あげないもん♪」

(じゅるじゅる、じゅる………)

「………あ〜、もう飲み切っちゃう!
味わえないのってかわいそうね!」

(じゅる、じゅる………)

「………ねえ、欲しいんでしょ?
なら素直に言いなさいよ!」

(………………)

「……ふふん、しょーがないわね♪
じゃ、アンタのストローはこっちね」

(ぷすっ………カラン)

「がんばって飲みなさいよ?
氷しかのこってないけど!ぷぷ♪」

(とか、浅ェこと思ってンだろうなァ)

だが彼女はペースを崩さずかえって加速し、
嘆息をどよめきに変えていく

(この展開になることは確定してんだ。
逆算してスタミナつけまくったっつーの!)

幾度も重ねたシミュレーションが
たったひとつの『式』を導き、そして──

「証明終了だ、バァカ!」

予想外の結果に罵声まで飛び交う場内で、
エアシャカールだけが──嘲笑っていた