>>653
そして─和泉と茅森の唇が触れ、柔らかな感触が永遠に続いただろうか。いつの間にか互いの目は開き、見つめ合い、ふたりの唇が一瞬離れたかと思いきや─再び唇と唇が、舌と舌が、唾液と唾液が、音をたて絡み合う。互いの唇の間に銀糸を引き、そしてまた交わり、水音が旋律を奏で続ける。