「んで、まふゆさんは将来どうなりたいんすか?」
「え?」
「いや、今の話だと、冬美さんはまふゆさんに医者になってもらいたいってことっすよね? それだけじゃ主体性に欠けるっつーか、そんなんで進路決めていいんすか?」
「……冬美さんって呼んでるんだ」
「いいだろ、呼んでも」
「でも、そうだね。私にはやりたいことなんてないし、将来のことだってまだよくわからない。彰人くんは考えてるの? 将来のこと」
「んー、まぁ、オレはまだ進路決めるまで余裕が――」
「違う、そっちじゃなくて」
「は?」
「私のお母さんを一人の女としてこれからどうするのかってことだよ」
「……この話題楽しくねえな」
「私もそう思う」