「勝算は?」
「僕の読みどおりに戦局が動いてくれれば、九割ほどで」

目前に迫る魔物の群れは、もう1クピテ約1.3キロメートルを切っていた。

「敵の狙いは重歩兵による、中央突破です。
 戦力差のある中央は安全第一で、やや引き気味で戦ってくれて構いません。
 魔物の突進に持ちこたえてくれるだけで十分です。
 しかしこちらの精鋭をそろえた左翼と右翼は絶対に負けられません。必ず撃破および突破を図って下さい!」

「了解した!」

 中央が防戦でもちこたえている隙に、こちらの精鋭部隊の右翼と左翼が敵両翼を突破。
 そのまま敵中央の真横と背後につき、包囲網を完成させる。

 包囲殲滅陣ほういせんめつじん。
 これが、僕が描いた勝利の絵だった。

 戦型を整え、迎え撃つ準備を整える。
 そして後方で情報収集の担当をしていた後方支援職が、戦況分析の声をあげる。

「彼我の戦力差、出ました! 人間軍、およそ300。魔物軍、およそ5000!」

(´・ω・`)