――本作は“オープンエア”と呼称されていますが、いわゆる“オープンワールド”との違いは何なのか。改めて、お聞かせください。

藤林 “オープンエア”を作るにあたって、スタッフにお願いしたのは、とにかく“壁がない”、“イライラすることがない”、ということです。
 具体的に言うなら、障害物がないとか、謎解きの解法が1本道ではないとか、登場人物がおもてなししすぎない、といったことですね。

――“おもてなししすぎない”とは……?

滝澤 前々から、話しかけられた人が必ず相手のほうを向いて正対して応じることが、すごくゲームならではだなと思っていて、そういうゲーム的なアタリマエも、もう少しリアリティーのあるようにやりたいなとは考えていたんです。

青沼 主人公がいつももてなされていると、作られた世界の感覚が強くなってしまいますよね。そこに世界があって、“リンクはただ介入者としているだけ”というようにしたいなと。

藤林 ですので、“リンクがいなくても、この世界はちゃんと回って、動いている”ことを目指しました。そういう空気感も、“オープンエア”に関与しているのではないかと思います。
 そして、リンクと世界の人々の距離に一線を引くことを徹底したおかげで、逆に正対して応じてくれる人がいると、リンクをさりげなく誘導する導線に使えるという発見もありました。
 それでもプランナーサイドからは不満が出てきまして、「この人は振り向きたいんだ」、「いや振り向いたらおかしいんだ」と、よく“正対VS振り向き戦争”が起こっていました。

https://www.famitsu.com/news/201704/20130678.html?page=2