スプラトゥーン2オンライン対戦の詳細調査

著者 Octobyte | 2017年7月31日  訳・要約 YON

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スプラトゥーン2は2017年7月にnintendo switchでリリースされた。新しいタイトルに群がるゲーム競技界隈にとって、スプラトゥーン2は我々が欲していた延命剤になるはずだった。
(中略) Smash ‘N’ Splash *3 以降、私はスプラトゥーンをプレイする意欲が失せてしまった。率直に言って、WiiUのオンライン対戦の酷い体験にうんざりしてしまっていたのだ。

私は、スプラトゥーンに戻ってきたプレイヤー達に悪いニュースを伝えるのではないかと心配している。
しかし、スプラトゥーン2に対しあまりにも辛辣すぎると私を非難する前に、私が悪いニュースを伝えようとしているのは善意によるものだと伝えておきたい。
何千時間もスプラトゥーンに費やしてきたプレイヤー達と同じくらい、私はこのシリーズに情熱を持っている。
辛辣にはなるが、それは私がこの界隈の他の人間と同じくらい、スプラトゥーン2の成功に関心を持っているからだ。(中略)


スプラトゥーン2のアップデートレート

スプラトゥーン2もP2P通信方式を利用していることが判明
せめてP2Pをローカル対戦だけに留めるべき。専用サーバーを利用した通信よりも7,8倍もトラフィック負荷が大きい
▽クライアントアップデートレート(青、単位Hz)とサーバーアップデートレート(赤、単位Hz)。
スプラトゥーン1,2にサーバーアップデートレートがないのはP2P通信であり、特定の対戦サーバーが存在しないからである*18

https://octo.im/wp-content/uploads/2017/07/chart-1-1.png

スプラトゥーン2のアップデートレートは15.75Hz。スプラトゥーン1(26.17Hz)に比べ30%も更新頻度が落ちており、8年前に発売されたマイクラより低い
スプラトゥーン2は、競技性の高いe-sportsゲームになるために必要なシステムを有していない
スプラトゥーン2には専用サーバーが必要

さらに悪いことに、2018年から任天堂はオンライン有料化を予定している
プレイヤー同士で通信するP2Pへの課金は是認できない。万が一マッチングサーバーのコストだとしても、相当な利益が上がるはず
任天堂がオンライン有料化をするなら、高いチックレートを有する専用サーバーを用意すべき


データ通信量

「ゲーム側の最適化により、前作より送受信する通信量を下げた」と言う野上氏へのインタビューを検証した
最終的に25Hz換算でスプラトゥーン1の送受信データは146kbps、スプラトゥーン2は132kbpsとなり、同環境下では9.5%しか通信量を削減していないことが判明
ただし、スプラトゥーン2のアップデートレートは16Hzであるため、実際に送受信するデータ量は80kbpsである


実遅延時間

解析により判明した調査者のping(74ms)に、更新間隔を加えることで、実際の遅延を概算できる
スプラトゥーン1の平均実遅延時間は113ms、スプラトゥーン2の平均実遅延時間は137msとなり、24ms悪化していた *19


http://yon4.hatenablog.com/entry/2017/08/10/223155