元スクエニの人が現在の日本ゲーム業界における問題点を説明
http://gamebiz.jp/?p=192949

――:人手が足りていないということでしょうか。
 
一言で言ってしまえばそうです。「人手」というと、単純に「人数」だけと捉えられがちですが、
「人数」に加えてそれぞれがもつ「技術」の面でも需給のバランスが取れていないと感じています。
恐らく一番の要因は、昔と比べてゲーム業界の状況が大きく変化したことで、個々人に、より幅広いスキルが求められているためだと思います。
にもかかわらず、そこを教える教育の環境は整っていません。
採用する企業の側からすると現場経験がない人を採用するのは判断材料がなく、
“賭け”のような状況になってしまうため、「何を基準に採用したらよいのか?」となってしまっているのではないかと思います。
かつ、応募する方たちも、企業から何を求められているか分からない。
採用する側も応募する側も、それぞれの持つカードをオープンにして真剣に勝負しなければいけない時が来ているのに、
お互いに何をどう見せたらいいのかさえ分からない状況に陥っている。
本来、双方ともニーズは多いのに、何故かマッチングがうまくいかないということが業界全体の課題だと思います。

――:人材育成があまり上手くいっていないと。
 
現在の人材育成に関しては、ほぼすべてがOJT的な手法になっていると感じます。
タイトルが多様化する中、タイトルごとに求められる業務も多様化しているため、本来なら広く深く教える、
もしくはその中からある側面を深く教えるのですが、どちらも非常に難しい状況になっているために、
「とりあえず手を動かそう」という教え方が中心になってきています。
ゲーム業界全体に、もともとそういう面はありましたが、近年より顕著になっていると感じます。
特に運営型のタイトルにおいては、新しい人は入った瞬間から活躍することを求められます。
パッケージゲームの場合は、開発期間が数年ある場合も多く、その期間に「ここまで到達すればいいよ」という目標があって、
時間をかけてじっくり育成することができました。
しかし、運営型タイトルが中心の今は、作ったものが来月には出るというようなスピード感ですので、
新しい人が入ったら翌月からすぐに活躍してもらわないとならないという流れです。
即戦力と言うか、即結果を求められる状況のため、一人一人が見ることができる範囲が狭くなっているように感じます。
そういった部分で、人材を育成する難易度が上がっていると感じています。


大変やなあ…(´・ω・`)