岩崎氏:
 ここまで日本のコンシューマーでいちばん辛かったことは、ハード間の性能の乖離が
激しくなっていたことなんです。大きな売り上げをあげたいと思ったとき、縦のマルチ
対応をしようとするわけだけど、そのときに3Dのマニアックなゲームを作ると、下の
機種は基本的にVitaだったんですよ。これが辛かった。PS4とVitaの縦マルチ制作が
めちゃくちゃ辛くて。

島国氏:
 しかもVitaじゃ手をかけたほどは売れないしね。

岩崎氏:
 そう。でも、VitaしかなかったのでVitaに対応させていて。そうするとそのPS4との能
力差が大きいんですよ。PS3はちょっとヘンタイすぎるマシンで、PS3とPS4のマルチを
作るとこれもまた辛いので、ある一定以上の売り上げが見込めないと作れない。

──PS3のヘンタイっぷりは、たまにクリエイターの方々から伺いますね。

岩崎氏:
 で、いろいろなコストを考えると、PS3とPS4の縦マルチをやった場合、Vitaが作れな
くなるという問題があった。それでみんな苦労していたんですが、それがSwitchが出てき
てくれたおかげで、そちらでの展開が可能になったわけです。

Switchの能力的な話をすると、CPUのトータル性能はPS3よりぜんぜん上だと思うんです
けど、デスクトップモードでだいたいPS3にプラスしたくらいなんですよ。そうなるとP
S3以上の絵が出せる携帯可能なでっかいハードウェアの市場が任天堂のおかげで出来上
がりつつあるわけで、PS4とSwitchのマルチで展開すれば、それなりにちゃんと食べられ
る市場ができる。
http://news.denfaminicogamer.jp/interview/171229/3