当時、まことしやかに噂があった。
ネオジオランドであまりにも勝ち続けると、目の前にあるSNK本社
から開発者が出てきてそのプレイヤーを(ゲームで)ボコボコにして
帰っていく、と。
勝ち去っていったプレイヤーがSNK本社から出てくるところを見た
人がいる、という話もあり、噂の域はでないが当時自分たちの間では
確信を持って信じられていた。

中略

その人と何気なく話していたとき、ふとその人が言った
「私、以前はずっとSNKで働いてたんですよ」
マジか。
それを聞いて自分はいてもたってもいられず、当時のことを話始めて
いた。
そして、Y田兄が勝ち抜きカンストしたことを言った時。

「あ、じゃあSNKの人間出てきたでしょ」

そう言ったのだ。
こちらから全部話しをして、最後に本当ですか?と聞くのではなく、
あちらの口から出てきたのだ。
「そう!そうなんですよ!っていうか、あの人って本当にSNKの人
なんですか!?中の人が出てきてやっちゃうのマジなんですか!!?」
たぶん、肩に両手で掴みかかる位の勢いで聞いたと思う。

「そうそう、自分は営業系だったからそこまで強くないしそんなん
出来なかったけど、開発の人間は本当にやってたよ。
昼飯いくついでくらいの感じで「なんか外(ネオジオランド)に
イキってるやつがいるらしいぞ(笑)」位の感覚で出てくのよ。
そんで勝ってくる」

マジだった。
20年前で見た、自分にとって神にも等しい格ゲープレイヤーが対戦台
カンストという神の如き所業をして、さらにそれがいとも簡単に崩
れ去るという、本当は夢だったんじゃないかと思うような出来事が
20年の時を経て真実に繋がったのだ。
http://meeti.hatenablog.com/entry/2018/04/29/233015