>>89
河津はこういう考えの人だからね

河津
そうですね……たとえば、オープンワールドのゲームは自由度が高いと言われていますが、なんでもできると言いながら、意外と何も起きなかったりするじゃないですか。
触ってみないとわからない。近づくと光るアイコンが出て、“これは触れます”と示したりする。
けっきょく旧来の表現から抜け出していないんですよね。
アイコンを求めて走り回る、それがプレイの大半を占めているのはちょっとおかしいんじゃないかと。
それなら、起きることが目の前にすべて並べてあって、それにどんどん取り組んでいけるという形を作れないかなと思ったんです。

――ゲームの楽しい部分をぎゅっと凝縮させたような形を作るということですね。

河津
この発想は、もう『ファイナルファンタジー』の『I』や『II』を作っていたころからあったんですよ。
大学の後輩が「町に行ったら、町の人がずらっと並んでいて、順番に話せればラクですよね」なんて言っていて。
「それじゃゲームにならないだろ」と笑っていたんですが、極論すると、ゲーム自体はそれでも成り立つんですよね。
その発想を、違和感のないようにゲームに落とし込むことにチャレンジしたのが『サガ スカーレット グレイス』です。
約30年越しに、与えられた課題に対して答えを出せたなと思っています。

https://www.famitsu.com/news/201701/27124374.html