https://dengekionline.com/articles/16919/
――まさか"ゲキテイ"を変える選択肢もあったという話は驚きました。

名越:開発が始まってからの話をすれば、『サクラ大戦』におけるリアルタイムのアクションゲームは、あまり誰も想像がついていませんでした。
ただ『龍が如く』シリーズでは長くアクションを手掛けていて、『新サクラ大戦』も人型のアクションゲームであるといえばそうですし、
今回はソニックタイトルを手掛ける“ソニックチーム”も協力して作っているんです。
『新サクラ大戦』の戦闘部分をキャラクターアクションと考えれば、“ソニックチーム”はエンジンもアクションとしてのさばき方もうまいから、
それはそれで新しい、Mass(マス)に向けて触りやすい新しいアクションゲームが作れる、一番近いチームであろうと考えていました。

――たしかに体験版を触った感触では、とても手触り感がよかったです。

名越:あとは開発陣を信用していないわけではありませんが、ほったらかしにしていると「やっぱり『サクラ大戦』ってこうじゃない?」と、
決めつけた誰かが徐々に舵を切り始めて、方向が従来のものに戻りがちです。
このようなことはチームではよくあることで、「絶対に戻さない」「この道に行くんだ」「この方向で行くんだ!」ということを見届けることが、基本的に私の今回の仕事でした。
だから、私はイベントごとがあってもステージには立たないし、作っているというよりは仕向けた人なので、そういう立場での参加でした。

――先ほど『サクラ大戦』に必要なもの、変えるべきものをタグ付けしたというお話がありましたが、
名越さんのなかでそれが最終的に“新しいものにならない”と結論が出ていたら、制作はスタートしていかなったということでしょうか?

名越:やめていたか、規模をもう少し小さくしたプロジェクトにしていたかのどちらかでしたね。