9月9日に発売されたニンテンドースイッチの新作ゲーム『スプラトゥーン3』が、大きな話題を呼んでいる。過去作ではプレイヤーが夢中になるあまり、“デバイス破壊”に至るという話も多かったシリーズだが、最新作にてそんな仕様に改善が加えられたという。

頭にインクがのぼるゲーム

「スプラトゥーン」シリーズといえば、「イカ」をモチーフとしたポップでかわいらしい世界観が特徴。通常、シューティングゲームは銃器を用いたリアル志向のデザインになっていることが多いが、同作では「インク」の撃ち合いという設定にすることで、子どもが安心して楽しめる作りとなっている。

しかしそうした表面的なイメージとは裏腹に、実際にはプレイヤーの精神に大きな負荷がかかるとも言われていた。いわゆるランクマッチにあたる「ガチマッチ」にて、頭に血が上ったプレイヤーが自身のゲームパッドを破壊する光景がよく見られたのだ。

その大きな理由が、4vs4のオンラインマッチというゲームの仕様。いくら自分のプレイがうまくいっても、味方に足を引っ張られて負けた…と感じる場面があり、怒りが湧いてくるのだそう。

最新作の「スプラトゥーン3」でも、基本的なゲームの仕組みは変わっていないため、同じ問題が起こると考えていた人は多かっただろう。しかし今のところSNSなどでは、《ガチマが楽しく遊べるように改善されてる。スプラ3ほんと凄い》《ガチマがかなり改善されてるからイライラせずにやれそう》《BGMが負け感なくなったの神だと思う。イライラすることが減った気がする》といった前向きな評価が相次いでいる。

ストレスフリーな仕様を導入

実際に「スプラトゥーン3」では、元凶である「ガチマッチ」が「バンカラマッチ」へと名称変更されており、さまざまな改善が行われている。

まず、これまでは1人でしかプレイできなかった「ガチマッチ」に、2種類のモードが実装され、フレンドと一緒に遊べる「オープンモード」が用意されることに。ランクを上げるためには昇格戦に挑む必要があるが、それ以外は気楽に知り合いと楽しめる仕様だ。

さらに、「ガチマッチ」の結果発表の画面には劇的な変化が。これまでは敗北した際、負けたプレイヤーを煽るような情けないBGMが流れ、うなだれるキャラクターの姿が登場していたが、そうした表現がゼロに。一見すると、勝ったのか負けたのか分からないリザルト画面になった。

また、敗北が続いてウデマエゲージがひび割れる…といった危機感を煽るような表現も、今作では消滅。もちろん、“ガチ”でやり込みたい人の存在も忘れられておらず、今後のアップデートにて「Xマッチ」の実装も予定されているという。

通信エラーやバグが多発するなど、いろいろな不具合は残っているものの、“負の遺産”を完全に清算してみせたのはお見事というほかない。これからは夜な夜な怒声が聞こえることも、破壊音が聞こえることもなくなるはずなので、家族が「スプラトゥーン3」にハマった人も安心だろう。

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