低い所にいるからこそ、高い所へ登るのが、危険であることをわきまえる。

暗い所にいるからこそ、明るい所へ出ることが、あまりに出しゃばり過ぎることをわきまえる。

静虚を守っているからこそ、活動ばかりを好むのは、やりすぎであることをわきまえる。

寡黙を守っているからこそ、多弁が、いかに騒がしいかをわきまえる。
(菜根譚)