クレーンが動き出し、ゆっくりと引き上げられてゆく・・・ビジェイの足は地面から離れると、もがき苦しみ始めた。熱狂する人々の間からひときわ大きな歓声と罵声があがる。

犠牲者の父親の1人は「踊れ!踊れ!貴様がオレたちの息子したことを思い知るがいい。」と叫んでいた。ビジェイは7分もの間もがいていたが、人形のように動かなくなった。20分後、ビジェイはクレーンから降ろされ、医師が死を宣告し死刑が完了した。

イランの絞首刑は、高い場所から落として頚椎(けいつい)を折り楽に死なすのではなく、苦しみを与え抜いてから死に至らしめるのだ。残酷かもしれないが遺族にとってはそれ以上の刑に処しても許すことなどできないのだ。