携帯を離すのが怖いんだ。

様々なスレへの書き込みや時事ニュース、
YouTubeならアクション映画のイチ場面とか時事解説とか。
音楽も聴くしゲームもやる。
1日決まったルーティーンみたいなのがあるんだ。
 
で...
それが終わって携帯を横に置くと、
40半ばで家族も居ない大成もしていない、
道を歩けば視線すら来ないモブキャラで、次々に変わっていくテナントと、同時に消えていく過去の商店街の思い出。
ただただ変わらないのは近所の公園のデカい桜くらい。
古い外壁や駐車場とかを見て、
『これができたばかりの頃に戻れたら..』
と、重く、長いため息を魂が抜けるかのように吐いてまた歩き出す。
そういった現実が一気に襲いかかってくる。
眠る前もそう。
はぁー..とため息をつきながら真っ暗な天井を見て、
『40代後半...何でギリギリの生活?家族は?小学生の時に思い描いていた未来は?』
がドス黒いモヤになって身体を捻じり上げてくる。

慌てて携帯を取る。