ヒクソンは船木の10倍強そうだ。
全体的に見ても、ヒクソンの技の一つ一つが的確で多彩なのに対し、
船木のそれは大人と子供の違いの差ほどある。
印象に残っている場面として、ヒクソンが立ち上がってから最後まで。
船木は右ジャブを出すのが精一杯だったのに対し、ヒクソンの一連の流れの
中からテイクダウンを奪うまでの動きは百戦錬磨そのもの。
船木のジャブをカットと同時に自分も右ジャブを返し、船木が首を振り
かわされたあと、すかさず船木の右わきの下から肩に手をあてがい、
右ひざ蹴りを船木のあごに入れているが、この時も、前もって船木の頭を
右手で押さえつけることなく、右ひざ蹴りを出す直前まで押えつけていない。
船木はヒクソンのあまりのすごさに膝をもらったとき頭真っ白だっただろう。
その後、キックの連発で疲れきっていると見てすぐに倒しにいったのでは。
その後の寝技になってからの技の数々も、はじめて見たものばかり、
センス抜群だ。いや、こんな言葉を発してはヒクソンに失礼だな。
表現のしようがない。間違いなく400戦無敗はおおげさでなく
ヒクソンは最強格闘家のうちの一人と言っていいだろう。