陰茎は、通常状態では柔軟で、男性の股間に懸下しているが、勃起状態で太く長く硬くなることで、
性行為の時に女性器に挿入することが可能となる。常に不十分な勃起状態にしかならないのを勃起不全(ED)と言い、
硬度の不足によって膣に嵌入することができず、逆に膣圧に抗えず押し戻されてしまうために、膣性交が不可能となるため、
治療が必要である。ヒトの勃起は、陰茎内部の海綿体に血液が溜まり、血液を排出する静脈が調節され、
内部の圧力が上昇することによって支えられる。これは陰茎内圧の上昇によって行われるため、
当然伸縮性のある陰茎は内圧の高まりに拠って非勃起時よりも太くなる。普段の血圧では内部構造の関係で鬱血しないようになっている。

ヒト以外の動物については、陰茎骨という骨を持ち、この骨が筋肉の働きに拠って陰茎を伸ばすものも見られる。
クジラなどの海洋哺乳類では、普段陰茎は皮下にS字状にしまいこまれた状態で埋没しており、
性交時にはこの陰茎骨が陰茎を突き出させるのである。 陰茎への機械的刺激の他、
視覚刺激や想像などにより大脳皮質から引き起こされることもある。

主に思春期に入り第二次性徴が始まると、性に対する知識や興味が増え頻繁に勃起するようになるが、
思春期前でも、触るなどの外的刺激を受ければ陰茎は勃起する。

勃起した状態は被服の上からでも外見によってわかる場合があり、
特に水着やジャージ、短パン、ブルマー、レオタードなど身体にフィットした体操着、
被服を着用する機会の多い児童、生徒、学生においては目立つことがある。
本人や周囲の者の年齢、周囲の者の性別、嗜好、TPOなどによって受け止められ方は異なるが、
勃起は性的興奮と関連付けられ、膣に挿入可能な状態になっていることを表すことから、
勃起していることを周囲に知られることは、からかいの対象となったり、気恥ずかしい雰囲気、気まずい雰囲気、
あるいは不快感を与えることがあり、露骨にわかる状態はセクシャルハラスメントとして受け止められることがある。状
態によっては、陰茎のサイズの大小が他人に知られる場合もある