アニメ業界関係者「ネットフリックスだと質の低い作品が生まれてしまう。製作委員会方式なら高い品質を保つことが出来る」

ネットフリックスの到来で、制作サイドにとっての表現の自由は増したという。
ネットフリックスが配信を開始したオリジナル作品「DEVIL MAN crybaby」は、かなり踏み込んだ性描写や暴力描写が多い。
地上波のテレビで放送する場合は、不特定多数の人が映像を視聴する可能性があるため、こうした表現は慎重にならざるを得ない。
一方で、配信の場合は、ユーザーが自分で視聴することを選ぶため、過激な表現も可能だ。
ネットフリックスは、提供する膨大なコンテンツの多様性も重視しているとされる。
このため、従来よりも、思い切った内容、実験的な新しい表現の作品であっても、ラインナップに加えられる可能性もある。
また、ネットフリックスと制作会社がじかに契約するため、制作者側の意向が反映されやすい仕組みだと言う関係者もいる。
塩田氏は「ネットフリックスは、ポートフォリオでできるから、どんなコンテンツを提供するかについての判断のあり方は、変わってきている。なかには、ぶっとんだ作品があってもいい」と話す。
一方で、ある制作会社の幹部は「ネットフリックスは、作品の質が玉石混交になりやすい」とも指摘する。
ネットフリックス方式では、作品の方向性などについて判断する担当者の人数が限られる。
作品制作の承認・決定のプロセスが迅速になり、高度にシステム化されたことで、尖った作品や新規性のある作品を生む可能性もあるが、
内容やクオリティに関するチェック機能がゆるい面もあり、質の低い作品を生みやすい仕組みだという。
これに対して、製作委員会方式では、さまざまな企業の担当者らが脚本を読み、内容に注文もつく。
コンセンサスを重視する日本型の合議制は、一定の品質を確保するうえでは有効な仕組みだろう。
ただ、この関係者は「委員会方式は、どうしても石橋をたたくような判断に流れがち。無難な作品はできるが、圧倒的な力のある作品が生まれにくい」とも。

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