リリー・ブルームメルヘン 15歳
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- BACKGROUND STORY
大富豪の家に生まれ、どんなわがままも許されるほど不自由なく
育てられてきた彼女は、分別のない女性に育つところだったが、
兄の存在でそうならずにすんだ。
彼女の兄は養子で、貧民街出身の同い年。
対局の環境で育った兄は「人」としての道理を教えてくれた。
そんな兄を尊敬するからこそ、彼女自身「兄」と呼ぶことに
何の違和感もなかった。親が彼女に関心を見せなかったため、
彼女は依存症と思えるほど、どんなことでも兄を最優先事項にした。
兄との生活は幸福に満ち、いつまでも続けば良いのにと思った。
しかし不幸は突然訪れた。
兄とお茶をした後深い眠りにつく、なんら変わらないいつもの日。
騒々しい音で目を覚ました彼女は、下の階へと下りていった。
そこで目にしたのは体が半分しかない兄と、
頭をこすりつけながらガツガツと兄を食べている見たこともない怪物の姿だった。
彼女の絶叫が響き渡り、思わず手に取ったゴルフクラブで怪物を殴った彼女は、
手に付いた血と、うつろな目で天井を眺めている兄の姿に魂が抜けた。
そんな彼女に追い打ちをかけるかのように災厄が襲ってきた。
邸宅は壊れ、ありとあらゆる物が吸い込まれていくこの非現実的な出来事の最中、
彼女に今まで経験したことのない「ある感情」が噴き出し、突然高らかに笑い出した。
「狂気」に満ちたその笑い声はゾッとするほど鳴り響き、
彼女とともに渦の中へと消えていった。