プロペラ操作に関する注意以下のごとし
1. 始動時は最高ピッチとす
2. 地上運転中吸気圧力マイナス300ミリ付近においてプロペラピッチ変換機能を点検す
3. 地上滑走は通常積極低ピッチにて行うも塵埃多いときは油筒汚損するをもって積極高ピッチとするを可とす
4. 着陸の際は着陸復行を考慮し積極低ピッチとす
  離着陸はピッチレバーを9分量とす
5. 急降下時ピッチレバーは空戦または巡航時のままにて差し支えなきも
  回転数超過の慮あるときは積極高ピッチにて行うべし
  回転数は公称吸気圧力においては毎分2600回転を、
  吸気圧力マイナス200ミリ以下にありても毎分2900回転(30秒以内)を絶対に超過せしめざるを要す
6. 滑空は積極高ピッチを可とす
7. 発動機を停止せしむる場合は必ず積極高ピッチとす
  すなわちピッチレバーを積極高とし吸気圧力マイナス300ミリとなしたる後は
  10ないし15秒経過せしめプロペラ確実に積極高ピッチとなりたる後運転を停止するを要す

『二式戦闘機(二型)操縦法』