外の世界を遮断し、窓一面に張られた紙の破れた穴から、コウジさん(49)=仮名=がそっとガラス越しにうかがう母マサエさん(83)=同=の体には、日に日に老いが刻み込まれる。腰は曲がり、壁づたいに足をひきずりながら、息子のために手押し車を引いて買い出しに向かう。