そういえばファルコムってクリエイターが大量離脱したんだったよね
http://wktm.jp/archives/1523
ちょっとゲームの話題っぽいビジネスの話を。

イース7をクリアしました。良かったですよ、とても。このくらいのクオリティがあれば「イース1やイース2の方が良かった」というおなじみの評価を受けずに済むでしょう。

傑作と言われたイース1やイース2が発売されたのは1988年だったかな。つまり今から20年も前の話になります。
その間、続編3〜6までの続編が作られましたが、概ね全て「1と2を超えるものではない」的な評価を受けています。
この20年でゲームを取り巻く環境は激変し、ゲーム機もパソコンも高性能化したにもかかわらずです。
20年前のスパコンなどより、今のPSPの方が処理能力は遙かに上です。

いったい何故、そんな情けないことに?
実はイース1&2を開発したメンバーはイースの開発後にほぼ全員が開発元である日本ファルコムを退社していたのです。


イースI・II完全版(PCゲーム)

『II』の開発終了直前には、主要スタッフとファルコムの亀裂はきわめて大きくなっており、『II』のマップデザインやキャラクタデザイン、
さらにマニュアルイラストレーションなどを担当していた都築和彦の離脱を皮切りとして、音楽担当の古代祐三などスタッフは次々と日本ファルコムを離脱していくこととなる。
『II』を完成した橋本・宮崎は『イース』ではないつもりで『III』を企画するがシリーズの続投を決めたファルコムは『イースIII』へと内容の変更を要求する。

これが一因となってか橋本・宮崎に加え倉田佳彦の3人が『III』完成直後にファルコムを離脱。
さらにグラフィックスの中心であった山根は『スタートレーダー』完成直後にファルコムを離脱し、以降のファルコムに残るオリジナルスタッフは大浦孝浩と桶谷正剛、音楽担当の石川三恵子のみとなった。


日本ファルコムは主要なクリエイターの全てを失い、それでも何とか続編を作り上げてはみたものの、評価はイマイチ。
以後20年の長きに渡り、1&2を上回る続編を作れないという悪夢のような状況に陥ります。

一方、ファルコムを退職したクリエイター達はその後、大いに活躍します。
特にイース1&2のシナリオライターでもあった宮崎友好氏が設立した新会社クインテットはファルコムを退職したクリエイター達を集め、名作として名高いゲームを作り上げました。
今でも根強いファンがリメイクを望んでいるようです。私もプレイしましたが少なくとも当時においては間違いなく、イース1&2は超えていたと思います。

このように優秀なクリエイターが、ファルコムから大量に離脱した理由は現在も謎のままで、語られる理由も憶測の域を出ません。