伊集院光「パワプロが、ついにお別れの時がきたんですよ。俺の中で。パワプロは、長くやってきてますよ。
僕がやってるゲームコラム本、15年くらい前から書いてるんですけどね、そのころからプレイしてますから」

「ついにきたね…ウソであって欲しいって思ってるんだけど…パワプロの中で、僕の好きなサクセスモードっていうのがあるんです。
選手を育てていくゲームなんですけど、練習させながら一人前にして、一軍に入れる、みたいな。それで自分の試合に使えるようになる、っていうゲームなんですよ」

「このゲームが凄い好きで、多分、これに費やした時間を封筒を作る内職に費やしてたら、相当な財をなしてたんじゃないかってくらいやってましたんですけどね(笑)」

「最新のパワプロの情報を聞いて、ビックリしたんですけどね。途中、サクセスモードに出てくる、ダイジョーブ博士っていう、これが一番の賭けなんですけど。
自分の作ってた選手のところに、ダイジョーブ博士が現れるイベントがあるんです。
この人に、肉体改造をお願いすると、諸説ありますが、10〜20%くらいの確率で、自分が育てた選手が改造手術を受けて、大成功すると一気に能力が上がるんです」


「失敗したり、成功したりっていうダイジョーブ博士が、醍醐味だったんだけど、今回、どうやら失敗しても時間を戻せるっていうアイテムが入るらしいんです。しかもそれが、有料で1回100円っていう。リアルマネーで100円っていう」


「そうしたら、当時のプロデューサーが、『そういう夢を叶えることも大事。
だけど、バランスはある』と。『オールA選手みたいなものが、エディットモードでいくらでも作れるってなった時、サクセスモードをやる人が減るってことも考えられる。
一生懸命やってるユーザーの"こうなったらいいなぁ"ってところと、面白いゲームになることは、別かもしれない。そこを冷静に判断しなきゃいけない』って言ってたんですよ」

「そのプロデューサーは、『エディットモードを作らないと思う』って話をしてたんですよ。でも今や、『100円とったら何でもできる』ってことになると、もうなんだか分からなくてさ」

「しつこいって思われてると思うし、ゲーム好きな人からすれば、『アイツは何言ってもダメなんだよね。あのオッサンは、こういうの(課金制、DLCなど)に対していつも否定的だ』って言われるけど、
やっぱりゲームの面白さの中心のところに、お金でなんとかなる、とか小銭を稼ぐっていうのは、絶対に間違ってると思うんだ」

「今、色んなゲームでその傾向が強くなってるから、『それが時代の流れだ』っていって諦める人もいる。
もっといえば、使わなければ良いじゃんって人が結構いるんだけど、俺はそうは思わない」

「だったら、1000円で20勝すれば良いじゃん。優勝すれば良いじゃん。1000円入れると優勝するってことになれば良いし、200 Km/hrの投球速度が出れば良いじゃんって思うんですよ。でも、ゲームってそうじゃないんじゃない?」

「色んなゲームの中に、その制度が出てきていて、そのシビアさが面白いって言われてたゲームの中に、金でなんとかなるってなってくると、どうしようもないよね」
(ソースは伊集院のラジオ)