商標登録するためには、「識別力」が重要

当然のことではありますが、これらの商標も、通常の商標と同様に、識別力を有するものであるか、先行する登録商標に類似しないか等、所定の要件を満たすものしか登録は認められません。

具体的には、以下のような商標は識別力がないとして、商標登録が認められないと判断されるものと思われます。
指定商品・指定役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する商標
例えば、商標「アップル」を指定商品「りんご」について出願をした場合がこれに該当します。

指定商品・指定役務について慣用されている商標
例えば、商標「正宗」を指定商品「清酒」について出願をした場合がこれに該当します。

指定商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状、生産方法、使用方法、生産時期、使用時期、その他の特徴、数量、価格を普通に用いられる方法で表示する商標
例えば、指定商品「りんご」について、
 商標「青森」(産地・販売地)、
 商標「おいしい」(品質)、
 商標「食用」(用途)、
 商標「丸い」(形状)、
 商標「有機栽培」(生産方法)、
 商標「冬」(生産時期)、
 商標「赤い」(その他特徴)、
 商標「100円」(価格)
などで出願した場合が、これに該当する可能性があります。

指定役務の提供場所、質、役務の提供の際に用いられる物、効能、用途、態様、提供の方法、  提供の時期、その他の特徴、数量、価格を普通に用いられる方法で表示する商標
例えば、指定役務「宿泊施設の提供」について、
 商標「東京」(提供場所)、
 商標「ラグジュアリー」(質)、
 商標「アメニティ」(役務の提供の際に用いられる物)、
 商標「修学旅行」(用途)、
 商標「夏休み」(提供の時期)、
 商標「限定5組」(数量)、
 商標「半額」(価格)、
などで出願した場合が、これに該当する可能性があります。

ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する商標
例えば、商標「佐藤」、商標「鈴木」など、同じ氏が多数存在するもので出願した場合がこれに該当します。
また、ありふれた氏と、「工業」、「製薬」、「放送」などの業種名、「商店」、「商会」、「製作所」など商号や屋号に慣用的に付される用語との組み合わせによる商標(例えば「佐藤工業」、「佐藤商店」など)も、これに該当するとされています。
さらには、「日本」、「東京」、「薩摩」などの著名な地理的名称と、業種名、商号や屋号に慣用的に付される用語との組み合わせによる商標(例えば「日本工業」、「東京商店」など)もこれに該当するとされています。

極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標
例えば、数字のみからなる商標、アルファベットの1字又は2字のみからなる商標、  三角形や丸などの簡単な図形のみからなる商標などが、これに該当します