ソニーグループ(SIE)の競合相手はMicrosoftだけということになっている可能性が高いからだ。

 任天堂はすでに敗れ去った会社として扱っていると強く推測している(SIEは違うというだろうが……)。その根拠もある。前CEOのジム・ライアン氏は事業説明会で,コンソール(据え置き機)市場のシェアについて語っていたが,そこではターゲットシェア50%超と書かれていた。

 任天堂はSwitchを据え置き機としており,Switchは1億4600万台も販売(着荷)されている。これを考えるとソニーグループの市場占有率に任天堂が入っていないのは明らかだ。Switchを据え置き市場に含めていたら,50%のシェア獲得とはなっていないだろう。

 そして筆者は,ソニーグループが携帯ゲーム機市場はもう消え去った市場だと見なしていると考える。
 PS Vitaの存在をなかったことにしたのも,携帯ゲーム機市場はスマートフォンゲームに食われて消失し,意義がなくなったとしたとしか思えない。だからこそPS Vitaの後継機は出なかったと考えるほうが自然ではないだろうか。

 任天堂はすでに敗者だというこの考えは,今でもSIEの根幹にあるのだろう。アメリカに本社を移したことも対Microsoft戦略だったと考える。
 この正当性を維持するためにも,日本市場はスマートゲームが隆盛なアンチ据え置き市場と見なさないといけないのだ。

 SIEもソニーグループもこの点をたびたび否定しているが,筆者には日本を大切にしているようにはまったく見えないのである。
 一見しただけでは分からない日本語訳(イマーシブやノーリミットなど)のPS5関連の紹介,リアルタイム視聴しづらい各種プロモーション動画,日本人からすると直感的じゃない×ボタンの仕様変更……もう充分だろう。

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