◆技術力vs.″面白さ″

「任天堂は『スイッチ』の分離機能などゲーム業界にさまざまなイノベーションを起こしてきましたが、SONYはとにかく『画質と処理速度を上げ、大作ゲームの世界観を余すところなく表現する技術力』で勝負してきた。結果として、大人にもゲーム市場が拡大したのです。

『PS4』では自分が遊んでいるゲームをボタンひとつでオンラインに配信できるようになりましたし、『PS5』ではロード時間を大きく短縮しました。任天堂とは異なる形でゲームマニアを満足させる路線を進んでいると言えるでしょう」(同前)

家庭用ゲーム機の中では群を抜く性能を持つ『PS5』。30万〜40万円は当たり前の高性能ゲーミングPCに手が出ない若年層を中心に、これからも根強い支持を集めることだろう。

「とはいえSONYのゲーム事業は経営にシビアで、’21年にゲーム開発の拠点だった『SIEジャパンスタジオ』を事実上閉鎖するなど、儲からない部門を切り捨てる動きも見せている。この先、ストリーミングのゲーム(ハードにダウンロードせずに遊べるゲーム)が台頭してくれば、ハードからの撤退も視野に入れたドライな決断を下すはず。

一方の任天堂は″面白さ″で勝負しているように感じます。以前、任天堂の宮本茂代表取締役は会見で『なぜ東京に行かず本社を京都のままにしているのか』について説明したことがあります。

宮本さんは、『東京は流行に敏感だから、流行に従うものづくりをするようになってしまうのが怖い。京都にいると流行を無視してものづくりができるんだ』と話していました」

https://news.yahoo.co.jp/articles/72fa71ab23e583aa6c4f7f69bb7f3f291c98c76c