筆者は「スプラトゥーン2」が中毒症状を引き起こす要因になっていると思うポイントは4つある。

1. 「クリア」という概念がない
 さて、「スプラトゥーン2」のゲーム構造について簡単に述べさせてもらおうと思う。
まず、特徴的な構造としては、課金が「買い切りシステム」であること、そして、イベントなどの仕組みは「ソシャゲ的」であることが挙げられる。

 旧来の一般的なゲームは、「買い切り型」と呼ばれているゲームシステムになっており、一定のボリュームのゲームをすべてクリアして終了、という仕組みだ。
つまり、ゲームを買った息子や旦那がゲームに夢中になっても、いずれは終わりがくるし、長時間ハマればハマるほどクリアまでの日数は急速にカウントダウンされていく。
 ところが「スプラトゥーン2」は「買い切り型」のゲームでありながら、ソーシャルゲームのように、さまざまな新アイテムや新武器、イベントの追加が定期的に行われている。

 つまり、スプラトゥーン2が運営が更新をやめない限り「プレーに終わり」がないのである。

2. 月額300円で無限に遊べる
 終わりがないのはゲームデータやイベントの更新による新規要素の定期的追加だけではない。
一般的なオンラインゲームのほとんどは「アイテム課金」というシステムを取り入れている、このシステムはゲームアプリ自体は無料だが、ゲームを快適に遊ぶにはガチャであったり消費型アイテムが必要になる。
 ゲームをプレーするためには「スタミナ」を消費するのが一般的だが、このスタミナがなくなった際にプレーヤーは「待つ」または「お金を使う」の2択を迫られる。
これによって「財布の終わり」というプレーの終了が訪れるのだが、「スプラトゥーン2」はプレーヤーがやる気をなくさない限り終わりがない。

 ひとたび「スプラトゥーン2」のパッケージを購入さえすれば、その後は月に300円のNintendo Switch Onlineの費用だけで、
お金をいっさい使うことがなく24時間遊び続けることができるのだ。
 そして、スプラ中毒状態に陥っていく。

3. お金の代わりに時間をのみ込む「ガチャ」
 その昔、コンシューマーゲーム会社出身の人間は「ソシャゲが作れない」と言われていた。

 これはさまざまな心理効果を使い、プレーヤーをゲームに粘着させ中毒状態にさせるノウハウ、そして課金の導線の経験をコンシューマーゲーム会社がまだ持っていなかったからだ。

 筆者も昔、ソーシャルゲーム会社の新人プロデューサーが超大ヒットアーケードゲームの開発者に対して「ゲームの作り方わかってます?」と言い放っているのを見たことがある。

■任天堂もついに「ソシャゲ」時代に対応

 任天堂も同様に、お世辞にも「ソシャゲ」の仕組みに順応しているとは言えなかったが、ついに「ソシャゲ」時代に対応してきたのが「スプラトゥーン2」なのである。