2002年(平成14年)5月16日は、プレイステーション2用ソフト『ファイナルファンタジーXI』が正式サービスを開始した日。本日でサービス開始から20周年という大きな節目を迎えたことになる。

 『ファイナルファンタジーXI』は、スクウェア(当時)から発売されたMMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)。『FF』シリーズでは初となるオンライン専用タイトルで、“MMORPG”という新しいジャンルの魅力と認知度をコンソールのゲームファンたちに広めてくれた作品だ。実際、筆者も含めて本作が初めて体験するMMORPGだったなんて人も多かったんじゃないだろうか。現在もPC版がサービス中で2022年5月10日にバージョンアップが実施されたばかりと、根強い人気を誇っている。

 本作が発売された当時は、ネットワークゲームの黎明期。『ウルティマオンライン』や『エバークエスト』のような有名タイトルはいくつかあったが、基本的にPC用ゲームだったので「遊びたくても遊べない」というのがコンソールゲーマーの悩みのタネだった。そんなもどかしい思いが募る中、ホープとなったのが『FFXI』。プレイするために少々値が張る“PlayStation BB Unit(HDDを備えたネットワーク接続機器)”が必要になるなどハードルは高かったが、筆者の周囲ではみんな早くから注文して準備していた覚えがある。

 もっとも感動的だったのは、冒険の舞台となる世界“ヴァナ・ディール”へ降り立ち、大勢のほかのプレイヤーたちと遭遇したとき。街を行き交う人々が「みんなどこかで遊ぶプレイヤーなんだ」と思っただけで、本気でワクワクが止まらなくなるほどだったのだからいま考えるとかなり初々しい。ネットワークゲーム自体は『ファンタシースターオンライン』で慣れ親しんでいたけど、それでも別種の驚きがあった。フィールドはもちろんだが、街がいままで遊んだどのゲームよりも桁違いの広さなのも衝撃的だった記憶がある。

 ジョブごとに盾役やアタッカーのような役割があるのはRPGとしてはごく当たり前だが、それをプレイヤーどうしで分担するというのも新鮮なプレイ感覚だった。ウェポンスキルを複数人で連続してくり出し技連携を発動させるといったバトルの仕組みも共闘感を感じられたし、サポートジョブ(メインとは別にジョブを設定して能力を使えるシステム)を考えるのもおもしろかった。

 定期的なバージョンアップで新たな要素が追加されることにも胸を躍らせたものだが、拡張パッケージで新たなジョブやメインストーリー、多種多様なコンテンツがドカンと増えるのも当時としてはかなり新鮮な驚きがあった。また、拡張パッケージとは別に追加シナリオやコンテンツとして、『石の見る夢』や『禁断の地アビセア』なども配信されている。

 2003年4月17日には拡張パッケージ第1弾の『ジラートの幻影』が発売。ジュノ大公のカムラナートとその兄弟エルドナーシュの秘密が明かされるジラートミッションが楽しめた。通称“空”ことトゥー・リアを目指してみんながんばっていたのではないだろうか。追加されたエキストラジョブは侍、忍者、竜騎士、召喚士。ヒロイン的な存在としてライオンが活躍した。

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