旧約聖書には、子供を異教神モレクに奉げる因習があったと記され、これを行う事は石打ちに値する大罪として記載されている[7]。キリスト教でも伝統的に人工妊娠中絶を含む子殺しは大罪とされている(人工妊娠中絶#キリスト教参照)。

アラブ世界ではいわゆるジャーヒリーヤ時代には女児がよく殺されたが、7世紀に発祥したイスラム教では、キリスト教と同様に、子殺しが大罪として明確に否定された[8]。

古代で神に捧げる供犠の中には、今日でいう子殺しも含まれていたことを暗示させるような伝承もある。例えば『旧約聖書』のアブラハムによるイサクの殺害未遂(イサクの燔祭)、アガメムノンとイーピゲネイアの例が知られ、後代様々な解釈を呼び起こした。これらは時と共に衰退したが、神に祈るための生贄(植物の場合は収穫祭)という観念は広く分布していて、時代による価値観の変遷を窺わせる。