メガバンク幹部は、今回の復活劇をこう分析する。

「これまでは自社開発のゲーム機に載せていたゲームキャラクターを今回、AR(拡張現実)と融合させ、
アプリに落とし込んだ。スマホで稼ぐスタイルへ転換したわけですが、
それも強いキャラクター、つまりコンテンツがあればこそ。
任天堂には、スーパーマリオやドンキーコングなど多数のゲームキャラクターがある。
そうしたコンテンツ力が再評価され、株価が上がっているのでしょう」

 こうした任天堂の開発力を生んだのが堅実な財務体質だ。

「元来、ゲーム業界は商品の当たり外れが大きく、業績が大きくブレやすい。
そのブレに耐えうる分厚い現預金を持ち、長期にわたり商品開発や投資を継続できた」(同前)

 任天堂の11年度の現金・預金等の流動性資産は約1兆5000億円。
その後の業績低迷や、海外比率が高く外貨建て資産が多いため円高の直撃を受けて、残高は減少したが、
16年3月末時点でも約1兆円の流動性資産を持つ。

 一方、銀行からの借入金はゼロ。資産運用も投資有価証券も満期保有目的の公社債を少額持つのみで、
本業のゲームの開発・販売に専念する無借金の超堅実経営なのだ。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160729-00006424-sbunshun-bus_all