傲慢なのは昔からよ


■――ゲーム業界は未成熟な部分も多いから、いろいろな業界を知っている黒川さんは、相当イライラさせられたんでしょうね。

■黒川 未成熟と言えばメディアもそうだよね。僕はエンターブレインの浜村さん(※5)と、面と向かってケンカした数少ない人間だと思うよ。

■――なぜケンカしたんですか?

■黒川 サターン版『バーチャ』発売のときに、エンターブレインと集英社から攻略本を作らせてほしいって連絡があったんですよ。
それはもちろん両方にOKしたんだけど、後日あらためて集英社から「『バーチャ』のパッケージのなかに解説本のチラシを
入れさせてくれ」っていう連絡があったから、それも承諾してチラシを有償で同梱したんだよね。そしたら、発売日に
エンターブレインの浜村さんから「あれはどういうことですか?」って電話が掛かってきてさ。「なんでウチのチラシを入れずに、
集英社のチラシだけを入れるのか?」ってことだったんだけどね。

■――ゲーム業界には、とにかくエンターブレインを優遇する慣習がありますね。

■黒川 そんな慣習(最新のニュースはファミ通に出すという暗黙のおきてのようなものがった)はおかしいじゃん。
僕は「集英社さんからオファーがあったから入れただけですよ」って言ったんだけど、あちらは「そりゃ間違ってる」
っていうんですよ。僕も納得がいかないから「そちらが間違ってます」って言ったんだけどね。で、いろいろ
やり取りした挙げ句、浜村さんが「一度直接会って話をしたい」って言って会社まで来ちゃった。あのときは
塩崎さん(※6)と2人で来たのかな。

新!大江戸デジタル走査線 :4月16日 売り ゲームラボ 掲載インタビューの抜粋 その2