政府は、2019年と2020年の2年間限定で、サマータイムを導入するための検討を本格的に始めた。産経新聞などが報じた。秋の臨時国会での、議員立法を目指す。

報道によると、6月から8月の数か月間だけ2時間繰り上げる方向で、2019年に試験導入し、2020年に本格導入する案が有力だという。東京オリンピック組織委員会の森喜朗会長は7月下旬、安倍総理大臣にサマータイム導入を求めていた。これを受けての動きと思われる。

サマータイムは、日照時間の長い欧米やオーストラリアなどで導入されており、日の出時間が長い3月から11月の間、時計を1時間〜2時間進める、というもの。
日本では2005年と2008年、議員立法での成立を目指したことがあったが、いずれも実現していない。

報道を受け特に懸念されているのが、システムエンジニアの業務量だ。

「オリンピックにかこつけて、やりたかったことを無理やりやろうとしてない?」

2020年は海の日や山の日などの祝日が移動し、開会式の前後が4連休、閉会式の前後が3連休など、イレギュラーな暦になることが決定している。来年2019年の改元への対応もある。サマータイムが導入されれば、エンジニアの負担増大は免れない。

2019年から先、継続的にサマータイムを導入するのであれば、まだ負担は小さい。しかし2年間限定となると、一度変更したシステムを短期間のうちに再度戻さなければならない。ツイッターでは、

「サ、サマータイム…!? サーバエンジニアが死ぬやつ…!」
「ただでさえ疲弊してるIT業界なのに……日本政府はエンジニアを絶滅させたいのかな」

という悲鳴が多数出ている。エンジニアの仕事以外にも、

「学校・病院・役所なども2時間前倒しということなら、市民生活ハードモードになるのでは」
「保育園の送迎に困るんだよね」
「日本でサマータイム導入とかおじいちゃんおばあちゃんが混乱するだけでは?」

など、各方面での悪影響を心配する声も少なくない。