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「未来はクラウドだ」というような趣旨のお話をされる方が多くて違和感なんだが?(´・ω・`)凸


2013年1月31日(木)経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会

岩田:
 クラウドゲーミングは最近よく耳にする言葉の一つですが、「クラウドゲーミングでできることとできないことがある」
ということを、みなさんにご理解いただきたいと思っています。

クラウドというのは、処理を手元のデバイスではなくて、インターネット上のサーバーで行おうという試みです。
そういうことをすると何が起こるかといいますと、インターネット回線でのデータのやりとりには絶対に時間がかかりますから、
手元で何かをしてから結果が返ってくるまでに時間がかかるということになります。

もちろん、時間がかかっても全く遊びに支障のない種類のゲームもありますので、そういうものであれば、
「手元にあるのは入力手段と表示手段であって、処理は全部サーバーの上で行う」ということは可能かもしれません。

一方で、インタラクティブ性の高い、特にアクション系のゲームは、ボタンを押してから実際に画面に反応するまでの時間が重要であったり、
フレームレート(画を1秒間に更新する回数)の違いによって動きの滑らかさが変わりますので、ゲームの種類によって、
インターネットの向こうに持って行けるものと持って行けないものがあるわけです。

物理法則上、データの転送には時間がかかりますので、今のインターネット技術において、
実際にサーバーまでデータが届き、サーバーの上で瞬時に画像が生成されて送られてきたとしても、絶対に遅延が発生します。

したがって、すべてのゲームがクラウドゲームになるといっても、できないことがかなりあるはずなのに、そのことがあまり一般向けには語られずに
「未来はクラウドだ」というような趣旨のお話をされる方が多くて、大変違和感を覚えております。

 私はクラウドがどうこうというよりは、今おっしゃっていた、「ゲーム専用機というものがだんだんなくなっていくのか、そうでないのか」
あるいは、「携帯ゲーム機とホームコンソールゲーム機は一つになるのか」ということについては、当然、
「ゲーム専用機はなくならない」「ゲーム専用機がなくならないような未来を自分たちで切り開く覚悟で仕事をしています」というのが任天堂のスタンスです。