年末商戦前に輝き失う任天堂スイッチ、新たなゲーマー獲得が鍵
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-27/PISBKD6KLVR501

任天堂の家庭用ゲーム機スイッチが今年の年末商戦を前に、試練の時を迎えている。人気ソフトが少なく、
本体の出荷台数も自社目標を下回るとみられており、新たなゲーマーを獲得できるかどうか、疑念が広がり始めている。

 控え置き・携帯型の両機能を持つスイッチは、苦戦したWiiUの後継機種として評価されてきた。
しかし、これまでのところ、熱心なスイッチファン以外にプレーヤーを広げることに苦労している。

 ブルームバーグがまとめたアナリスト8人の予想平均によると、スイッチの出荷台数は2017年3月の発売から
来年3月までの累計で3500万台にとどまる見通し。任天堂が目標とする3800万台には届かない。

 スーパーマリオやゼルダの伝説、スプラトゥーンなど人気シリーズのソフト販売を1年目に集中させたが、
2年目の今年は発売するソフトが少なくなり、ゲーム機本体販売の足かせとなった。新たな顧客層の取り込みを
狙い4月に投入した段ボール製の工作ゲームキット、ラボも不発に終わった。

 ウィリアム・オニール・アンド・カンパニーのアナリスト、コルネリオ・アッシュ氏は優秀なゲーム機となれるか
どうかは2年目を成功裏に収められるかが鍵と指摘。その上で、「投資家は任天堂が5年かけて9000万台は
売れると思っていたが、ここにきて、かなり不可能になってきた」と話す。  

 年末商戦を含む3カ月は、任天堂の売り上げの約半分を占める。アナリストらが19年3月期の営業利益と売上高
予想を引き下げる中、任天堂の株価は1月の高値から34%下落し、時価総額は2兆4000億円近くも減った。

 任天堂はこの記事について具体的なコメントを控えるとしている。同社の古川俊太郎社長は10月下旬の決算会見で、
今年度2000万台の販売計画について「順調に推移している」とし、「これから迎えるホリデー商戦が本番だ」との認識を示した。