いわゆる“アイドルモノ”のコンテンツがバブル崩壊を迎えている昨今、『アイドルマスター』シリーズも苦境に立たされているようだ。昨年末に新たな戦略として『PROJECT IM@S 3.0 VISION』を宣言していたが、いまだに明るい未来は見えてこない。

コンテンツの規模縮小が現実的に?

ファンの新しい「アイドルプロデュース体験」を目指していく「PROJECT IM@S 3.0 VISION」。そんな同プロジェクトの一環として、昨年末には新ポータルサイト『アイドルマスター ポータル』がリリースされた。

また今年4月からは、VTuberのような新規アイドルプロジェクト『PROJECT IM@S vα-liv(ヴイアライヴ)』が始動。そして2023年を「アニメイヤー」と位置づけ、現在はその1つであるアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』が放送中だ。

「今年は『株式会社バンダイナムコホールディングス』の社内にも大きな変化がありました。4月には宇田川南欧氏が『バンダイナムコエンターテインメント』の代表取締役社長などに就任。思い切りが良いタイプの社長のようで、メディアのインタビューなどではリアルイベント重視の姿勢も見せていました」(ゲーム誌ライター)

ただファンとして心配となってしまうのは、採算が取れない事業の“切り捨て”だろう。実際に今年7月にはスマートフォン向けゲーム『アイドルマスター SideM GROWING STARS(サイスタ)』のサービス終了が予定されている。

リアルイベントにかかるコストなども考慮すれば、規模縮小による少数精鋭化が現実味を帯びてきていると言えるだろう。

「アイマス」にリストラの危機!?

さらに言えば「PROJECT IM@S 3.0 VISION」の一環でスタートした各種施策も、今のところ大成功とは言い難いようだ。

「まず『アニメイヤー』の第1弾として放送されている『U149』ですが、子どものアイドルにスポットを当てた尖った作風なだけに、“好きな人は好き”という位置に収まっているようです。

また今年10月から放送される『アイドルマスター ミリオンライブ!』や、来年春放送予定の『アイドルマスター シャイニーカラーズ』も、3Dを活用したアニメということで、手描きのライブシーンが大好きなアイマスファンからはあまり期待されていません」(同)

一方、VTuberブームに乗った「vα-liv」も、3人のライバーが“アイドル候補生”としてデビューしたが、まだ誰もYouTubeチャンネル登録者1万人にも届いていないのが現状だ。現状のVTuber業界では、初動で伸びなければ後で盛り返すのは難しい。

「今後の展開がどうなるかは未知数ですが、各アプリのサービス終了を心配してしまうところです。あるいは増えすぎたキャラクターたちを選抜して、新規ファンが入りやすい少数精鋭のコンテンツを作る未来もありえるでしょう」(同)

10年以上前の話だが、『THE IDOLM@STER 2』では秋月律子などのアイドルがプロデュース不可になり、「リストラ」として大炎上したことがあった。俗にいう9・18事件だが、もしこのまま衰退が続けば、さらなる規模の騒動が巻き起こるかもしれない…。

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