一方で、サイバーエージェントが業績を下方修正したのも事実であり、そこで「引き締める」とのコメントが藤田社長の口から発せられたのも事実である。
では、下方修正に伴う彼の発言の真意は、どのようなものだったのだろうか。

藤田:正直、我々が過度にゲームからの収益に期待しすぎていた部分がありました。

そのために、全体のコスト感覚が緩んでいたんです。

下方修正の理由はAbemaTVそのものではない。同社が期待していたスマートフォンゲームの事業が、想定よりも低い売り上げに留まったからである。AbemaTVの展開はほぼ予想通りだった、と藤田氏は言う。

藤田:下方修正の理由とAbemaの展開にはまったく関係ないんですけど、コスト意識を引き締めるいい要因にさせていただいた、というところですね。

このタイミングで、全社的に一回引き締めていこう、ということで、9月末までの社内キャンペーンにしています。

現在サイバーエージェントは、渋谷にある「Abema Towers」へと本社機能を集約中だ。「下方修正後に新ビルへ引っ越して大丈夫か、と言われたんですが、実は一箇所にまとめたので、坪単価では下がっている」と藤田社長は説明する。
そして、その新本社の各所には、「下方修正キャンペーン」の張り紙もあった。