高倉健

「僕には衝撃を受けた映画がふたつあります。

それが『ディア・ハンター』(1978年)と『レイジング・ブル』(1980年)。

『ディア・ハンター』はちょうどロサンゼルスの試写会で見て、もう感動して体の震えがとまらなかった。
デ・ニーロがいいんですよ。出しゃばらない演技なんだけれど、ちゃんと主役の存在感を出していて、
それだけじゃなく、自分が機関車となって、脇のクリストファー・ウォーケンたちをうまく引っ張っている。

ああいうのが主役の演技じゃないでしょうか。ちょうど横綱相撲のように。

『レイジング・ブル』もデ・ニーロがよかった。あれは11回も見ました」(『高倉健インタヴューズ』プレジデント社)