「マーロン・ブランドが主演した『波止場』をご存知ですか。
アカデミー賞を8部門受賞した映画で、監督はエリア・カザン。そのなかで主演のブランドが?I could have been a contender.と言う。
『オレだって本当は挑戦者になれた。今はこんな波止場で労働者をやっているけれど、オレだって続けていればチャンピオンに挑戦できた』
ある年代以上のアメリカ人が聞いたら、誰でも知っている有名なセリフらしい。

僕も『波止場』を見ました。そして、ブランドのセリフを覚えました。ブランドが言うからこそ、なんとも言えず寂しい響きがするんです。
胸に残るセリフのひとつですね」(『高倉健インタヴューズ』プレジデント社)

ジャン・ギャバン、ロバート・デ・ニーロの他に高倉健の口から出てきた俳優の名前がマーロン・ブランドとクリント・イーストウッド。
ブランドはあこがれの俳優で、クリント・イーストウッドとは話したこともあるようだった。
そして、出てきた俳優のいずれもがボクサーあるいはトレーナーの役をやっている。
高倉健もまた明治大学時代、拳闘部にいたくらい、ボクシングが好きだった。