実は、この憲法の規定を不要なものとみなす研究者もいる。
その理由のひとつとして、遺産などの不労所得で暮らしている人々にとって侮蔑的だ、というものがある。
また、納税の義務さえきちんと果たしているならば十分であり、
勤労にも義務を求めるのは行き過ぎだという考え方もある。

さらに、「勤労の義務」の規定は、旧ソ連のスターリン憲法に倣ったもので、
国民を総プロレタリアート「労働者」化せよ、という社会主義の発想に近いとみなす人もいる。