しかし、別の考え方もある。多くの人々が働くのは、自分や家族の生活を支えるため、
自分の能力を発揮したいため、自分の生きがいのため、といった個人的理由が多い。
しかし、それぞれの人がしたいと思っているところに仕事が生じるのではなく、
他の人々が求めるもの「財やサービス」を提供するところに仕事が生じるのが普通である。
だから、人々がたとえ自分の生活のために仕事をしていたとしても、
それは最終的に他者のためになっていることが多い。
仕事のために家を建てた人は、その家に住む人にサービスを提供したことになる。
比較的最近のCMのフレーズで「世界は誰かの仕事でできている」というものがあったが、
誰かの仕事でできている世界で暮らしていくためのマナーとして、
できるかぎり「世界作り」に自分も参加すべきだというのは、おかしくないような気もする。