加賀谷

女の子が下敷きであおいでいて。ぼくには女の子の仕草が、ぼくを臭いと思っているように見えたんです。それをきっかけに、
授業中に「加賀谷くん、くさい!」って声が後ろから聞こえてくるようになったんです。

でも実際には、誰もそんなこと言っていないんですよね。

加賀谷 ぼくはそのように認識できなかったんですね。「ぼくは臭いんだ! みんなに迷惑をかけているんだ!」ってどんどん内側に向かってしまって。次第に教室だけでなく体育館でも、
電車に乗っていても、人ごみのなかでも聞こえるようになったんです。
「ぼくはこの世界にいちゃいけないんだ!」って