「早く治せよ」という言葉の重み

キックさんも、コンビとしての活動はそこで止まってしまうということになったわけですけども、どのように受け止めたんですか?

松本:自分の心配は特にしなかったですね。本の冒頭にも書いたんですけれども、「入院することになります。」っていう、事後報告なんですよね。本人が1人で来られないので、
話し合いにお母さんと一緒にくるんですよ。その時も、僕の言葉が聞こえているのかどうかがわからない。何か言っても、ボソボソと言うか、全く返事もないという状態。

例えば、相方が病気になった時って「はよ、戻ってこいよ」「はよ、治せよ」って言うじゃないですか。友達同士でもそうですよね。

とにかく、ちょっとでも良くなってほしいって思って

加賀谷:でも僕、その時の話をあまり覚えてないんです
早く治せって言うのだけは覚えてるんですよ。
当時は実はそれが一番辛かった(笑)
終わりが見えないし薬効いてるのかよく分からない
良くなったと思えばすぐに再発して
今度は薬の副作用が辛いし
早く治さなきゃ皆に迷惑かけてるってプレッシャーで
けど。焦ることで良くなった事もあるし
寛解した今ではそういわれて良かったのかなって思います