基本的信頼(basic trust)とは、エリクソンの提唱した概念。育ててくれる親への、人格的な信頼感を通し
、自分がこの世に存在することを肯定的に捉え、人生には生きる意味や生存する価値があり、
世界は信頼するに足るものだという感覚を持つこと。エリクソンが乳児期における発達課題としたもので、
生きていて大丈夫だという信頼感や自己肯定感が、やがて自分が本当の自分であるという感覚(アイデンティティ)を養う。
他人が信頼をして期待してくれているものに自分はなるのだという。基本的信頼は、主に生後1年の幼児がもつ世界への態度を意味し、
青年期に向け、あるいは生涯に渡り、自分自身への信頼と他者との関わりに大きな影響を与えると考えらる。
また、基本的信頼の有無は、教育論を超えて心の健康に関連しうるとされている。健全な基本的信頼を獲得することは、
子どもの豊かな成長のために必要なことである。